2018-05-10

睡眠による快感の研究

序論

本日、ハローワークの雇用保険の説明会に出席しました。

この説明会では皆さんお楽しみのビデオ上映の時間があります。無職という共通点を持った老若男女が一同に会して、公務員の大人たちの手によってそこそこ手間をかけて作られた映像、それをスクリーンに投影したもの、およびスピーカーから流れる音声を感じ取ります。

私も職が無いとはいえ２７歳のいい大人なので集中して観ようと思ったのですが、上映開始まもなく睡魔が、女性の睡魔が、あれは確か女将さんの睡魔だったかな？旅館の女将さんの睡魔が布団を引いています。

「まだ結構です」と右手を顔の前で振っていたのですが、その手が次第に振り子の動きになって自己催眠、ついには体全体が振り子の振動、振り子のシンドロームに陥り、脳はトリップ。現（うつつ）に残された耳にビデオの音声が流れ込んで、建設途中の夢の世界と混ざり合います。

上映開始から２０分程経過した頃、何か特別なタイミングがあったわけではなく私はとつぜん超覚醒状態となり、それはなんとビデオの終焉まで持続されました。不思議な感覚でした。

頭の中ではつい先程まで存在した、シロップのかかった建設中の夢の、城の、その幻影、残像を後世に伝えるように、紡ぐよう、何かしらのエキスが巡回しているようで、私は真顔のまま恍惚としました。ほぼ、じとっとしていました。

隣に座った貴婦人が代わりにぐらつき始めており、左手の薬指のキラリと光ったのが鈍く軌道を描いていました。

前兆

ふと、大学の基礎ゼミの薄暗い部屋の中で６人の学生が一斉に振り子になったことを思い出しました。あのときもビデオを見ていました。そこにいた教授以外の全員が、ほぼ、じとっとしていました。

一般常識

ポケットピカチュウという万歩計がありましたね（ありましたね、というと現在進行形で使用している人に大変失礼ですが）。

ポケットピカチュウを腰に装着して、ポケットピカチュウの液晶画面に大きな数字を刻みたいがために一日中歩き回った日があったとしましょう。

疲労困憊で自宅に帰ってくると、ふかふかのベッドがあなたの帰りを待っていました。ベッドの前まで吸い寄せられ、磁力の関係で半回転し、横たわります。

どうでしょうか。

はっきり言ってエクスタシーには程遠いでしょう。2次試験止まりといいましょうか。

安心感、開放感などといったものが雑味となっています。

やはりそれでは。

事実

たとえば家のソファーで映画を観ています。集中して観たいのですが、眠気で意識が朦朧としてきます。ついには意識が完全に飛んでしまい、後ろの壁に頭をぶつけてしまいます。もちろんその瞬間完全に覚醒します。

頭には鈍い痛みを感じますが、こんなにも愛おしい痛みはありません。

熱く迸るなんらかのエキスが痛みを包み込んでいるようにも感じます。愛？

Re:愛って？

乾いた音がしばらく浮かんでいます。

私は真顔のまま恍惚としています。完全にじとっとしています。

さあ、映像を巻き戻すときです。

2018-04-13

フリップ大喜利の研究其の１

はじめに

　先日、バッファロー吾郎 Aさん主催の大喜利イベント「ギリアウトサイド１」に出場しました。

　「ギリアウトサイド」とは「ダイナマイト関西」という大型大喜利イベントの IP（インタレスティングプロデューサー）であった（2016年末に辞任）バッファロー吾郎 Aさんが新しく立ち上げた、プロアマ問わず参加可能の大喜利バトルイベントです。

　当日会場でエントリーすると抽選で対戦相手が決まり、舞台上で１VS１の大喜利対決ができるという素晴らしいイベントなのです。

　試合時間は７分間、お題は最大３問程度で、３ポイント先取した選手が勝利という形式なのですが、面白い（ポイントGET)かどうかのジャッジを、なんと主催者であるバッファロー吾郎 Aさんが務めてくださるのです。

　こんなチャンスはなかなかない！と意気込んで出場したのですが、残念ながら私の初陣は敗戦となってしまいました。

敗因の分析と対策

なぜ私は負けてしまったのか？その原因と対策を以下にまとめます。

１．大喜利回答思考能力が不十分

　まずこれを認めざるを得ません。お題に沿った面白い回答を導き出す思考回路の性能が不十分だということです。あらゆる分野の知識を広げて引き出しを増やし、受け手を笑わせる力のある文章を構成する訓練が必要です。

２．プレイヤーとしての個性が無い（見出せていない）

　例えば、すごく誠実で真面目そうな人がバイオレントな回答をしたらギャップで笑っちゃいますよね。逆に真面目な回答をしたとしても、それはそれでキャラに合ってるので受け入れやすい。このようなプレイヤーを、回答に”幅”を持たせられるタイプである、と以前の大会でAさんが表現されていました。

　残念ながら私にはそういう強みがあまり備わっていないように思います。もしかしたら自分のイメージにあった回答パターンがあるのかもしれませんが、今のところ見出せていません。当面の間は有無を言わさず面白い回答を出す”ストロングスタイル”を極めるしかないと思っています。

３．緊張・集中力の欠如

　人前で大喜利をすることに慣れていないので緊張感がありました。

　ただ、緊張で頭が真っ白というよりは、相手にポイントを取られてしまうのではないか、相手に負けてしまいそうだ、といったことを考えてしまって回答に集中できていない状態でした。精神力が弱いとも言えます。

　これに関しては経験を積むしかないかと思います。一度勝利を経験すれば自信もつくでしょう。

４．フリップ大喜利に慣れていない

　私は長い間"ネット大喜利"（チャットや大喜利サイトでの大喜利）をやっていたのですが、フリップに回答を書いて発話と共に提示するというスタイルの"フリップ大喜利"の経験が実は豊富ではありません。

　ネット大喜利とフリップ大喜利の性質は大きく異ると考えます。

　回答の形態としては、ネット大喜利の場合「文字のみ」、フリップ大喜利の場合「文字（あるいは絵）と声」となり、受け手が回答から感じる印象は異なったものになります。よって、それぞれ評価される回答の傾向も異なります。

　今回久しぶりにフリップ大喜利をやってみて思ったことは、フリップ大喜利の場合、瞬時に想像できる回答、言わば"鮮度の高い"回答が評価されやすいということです。（ネット大喜利だと回答、評価に時間をかけることが多いので、ある程度"熟成された"回答が好まれる傾向があると思います。）単純にフリップに書ける情報量も限られているので、受け手としても簡潔な回答を期待しているはずです。

　また場の空気にもよると思いますが、多少強引だったり、発想が陳腐であっても勢いで受け手を笑わせることが可能であるとも思います。

　そういったネット大喜利とは異なるフリップ大喜利の傾向を踏まえた上で、フリップ大喜利に適した回答を生み出す訓練が必要となるでしょう。

　また、フリップ大喜利だと文字の綺麗さ、あるいは絵の上手さも回答の質を高める重要なファクターとなります。残念ながら私は字が汚いし、絵もそんなに上手くありません...。これも地道に訓練するのみです...。

　さらにさらに、今回のようなポイント先取マッチだと瞬発力も極めて重要となります。この辺りもネット大喜利でじっくり考えるのに慣れてしまっているため、対策が必要でしょう。